2014年2月2日日曜日

ニセコ日記・その4[覚醒]





さて、これをお読みの方の中には、”なんであいつ、良い年して、わざわざ果ての地で、若者のバイトなど
してるんだろう?”と思っている方も居るかも知れない。



実際、私もそう思う。
なんで、若造に混じって、共同生活までしながら、いきなり真冬の世界で働かなきゃならんのだ!?



もう通り過ぎた日々だけど、若さには、エネルギーや情熱と裏腹に、無意識的な言動や、未熟さが付き纏う。



自分もまさにそうだったが、いっぱしの大人のつもりでも、若者の仕事ぶりには幼さが隠せず、当然未熟だ。



スタンドプレー、ミスをすれば言い訳100万、涼しい顔をする傍らで、黙ってフォローするのは、

大体、良い年をしたスタッフ・・それも、現場で働くお掃除の人や、大工さんだったりする。



誰それが、いくらチップを貰った、などと口角泡を飛ばしながら若者が話す傍らで、スタッフ宿舎の
屋根に
積もった雪を、一つ一つ回りながら、黙々と除雪作業に励む、管理チームの日本人男性2人組を見る度に、
私は胸が熱くなる。



もしこの世に神様という存在があるならば、彼はきっと、こういう光景の一つ一つをつぶさに観察していることだろう。



さて、人の話はさておき、先日の休み、雪の為になかなか来ないバス停を待ってうち、ふと、ある啓示が降って来た。




”分かった!私がニセコに来た訳!!”





その啓示によれば、私は北海道で、「忍耐」を学ぶ為にやってきたらしい。


そう、ここは雪に閉ざされた深い世界なのだ。



リゾートで来るならまだしも、こんな雪深い町、生活しにくくて仕方がない。


まずは共同生活。いい年こいで、若者とシェアするのは、楽しくもあり、苦痛も多い。


それから仕事。


若者は派手めなパフォーマンスを取りたがるので、私は背後霊のように彼らの後ろに立ち、
こぼれ落ちたり、
忘れ去られた案件を、黙って拾い、濡れた床をモップで拭いて回る。



まるで、早朝の公園を、せっせと掃除するおじさんそのものだ。



休みの日は、1週間分の食料を調達する為、山を降りる。



バスは1時間に一本で、旅行御用達のガラガラを片手に、帰りは雪の上を引っ張っても重さでなかなか

進まない。



おまけに、この天気が災いして、吹雪の中、延々と来ないバスを待ち続けることは毎度のことだ。




・・・と書いていて、ふと気がついた。



数多くない、北海道出身のスタッフの方々は、皆さん、とっても純朴で、おっとりしているのである。



それもそのはず、この厳しい気候が、彼らをどこまでも忍耐強く、気が長い性格に仕立て上げたと見た!



いや〜、しかし、メキシコでも散々試練の中、修行を積んで、それなりに、忍耐心を養ったつもりでいたが、

再びこういう状況に陥ったのは、それほど私には忍耐心がないということかっ!?



それ系の本によれば、その人に取って課された課題は、その人が克服できるまで、何度も何度も品を変え、

形を変え、その人の元に降り掛かって来るらしい。



忍耐度が若者並みとは情けない話だが、据え膳食わぬは女の恥。



ここは居直って、いよいよ大噴火するまで(?)頑張ってやろうじゃないの!





[今日の格言]


快適の中に成長はない。





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